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【マンションフルリノベーション】費用相場・期間・失敗しない注意点をプロが全解説

「自分たちのライフスタイルに合った、世界に一つだけの家に住みたい」 そう考えたとき、新築マンションの画一的な間取りでは物足りなさを感じる方が増えています。

そこで今、賢い選択肢として注目されているのが、中古マンションを購入して行う「フルリノベーション」です!

新築よりも費用を抑えつつ、注文住宅のような自由な空間を手に入れることができるフルリノベーション。

しかし、人生でそう何度も経験することではないため、「費用はいくらかかるの?」「期間はどのくらい?」「何から始めればいいの?」といった不安は尽きません。

この記事では、数多くのリノベーションを手掛けてきたプロの視点から、マンションフルリノベーションの費用相場、工事期間、物件選びのポイント、そして失敗しないための注意点まで、必要な知識を網羅的に解説します。 この記事を読めば、あなたの理想の住まいづくりが具体的な計画へと変わるはずです。

マンションフルリノベーションとは

リフォームとリノベーションの違い

「リフォーム」と「リノベーション」。日常会話では混同されがちですが、建築業界では明確な使い分けがあります。「リフォーム(Reform)」は、「原状回復」や「修繕」を意味します。例えば、経年劣化で汚れたクロスを張り替える、古くなったキッチンを同サイズの新しい製品に入れ替える、といった工事がこれに当たります。マイナスの状態をゼロ(新築時の状態)に戻す作業と言えるでしょう。

一方、「リノベーション(Renovation)」は、「革新」や「刷新」を意味し、既存の建物に大規模な工事を行うことで、新築時以上の性能や価値を付加することを指します。3LDKの間取りを広い1LDKに変える、断熱材を入れて省エネ性能を高める、配管をすべて更新して耐久性を上げるといった工事はリノベーションです。住まい手の現在のライフスタイルに合わせて、住まいの機能や価値をゼロからプラスへと引き上げる創造的なプロセスこそが、リノベーションの本質なのです。

「表層リノベーション」と「スケルトンリノベーション」

「フルリノベーション」を検討する際、どこまで解体するかによって大きく2つの種類に分かれます。
一つ目は「表層リノベーション」です。
これは、既存の間仕切り壁や床下地などは残しつつ、壁紙、フローリング、キッチンやトイレなどの設備機器を一新する方法です。
解体範囲が狭いため、工期が短く、費用も比較的安く抑えられるのがメリットですが、間取りの大幅な変更や、床下の給排水管の更新はできません。

二つ目は「スケルトンリノベーション(フルスケルトン)」です。
こちらは、内装、設備、間仕切り壁、天井、床をすべて取り払い、コンクリートの躯体(箱)だけの状態に戻してから、一から作り直す方法です。これを一般的に「フルリノベーション」と呼びます。最大のメリットは、間取りをゼロから自由に設計できる点です。
また、築古マンションで懸念される古い配管を新品に交換したり、壁の内側に断熱材を施工したりできるため、目に見えない部分の安全性や快適性を劇的に向上させることが可能です。

マンションフルリノベーションのメリット

ライフスタイルに合わせた自由な間取り変更

新築マンションの多くは、販売のしやすさを優先して「3LDK・田の字型」といった画一的な間取りで作られています。
しかし、家族構成や働き方、趣味は人それぞれです。フルリノベーションなら、既存の間取りに縛られることなく、自分たちの暮らしに本当にフィットした空間を実現できます。

例えば、子供が独立したご夫婦なら、細切れの個室を撤去して、友人を招いてホームパーティーができる30畳の広大なLDKを作ることが可能です。あるいは、在宅ワークが中心の方なら、リビングの一角にガラス張りの本格的なワークスペースを設けたり、玄関横に自転車やキャンプ道具をそのまま持ち込める広い土間収納を作ったりすることも自由自在です。
「家に合わせて暮らす」のではなく、「自分たちの暮らしに合わせて家を作る」ことができるのが、フルリノベーションの最大の醍醐味と言えるでしょう。

新築マンション購入よりも費用を抑えられる

近年、新築マンションの価格は高騰を続けています。特に都市部や人気エリアでは、予算内で希望の広さや立地の新築を探すのは非常に困難になっています。しかし、中古マンションを購入してフルリノベーションを行う方法なら、総額を抑えられる可能性が高まります。

一般的に、築20年を超えた中古マンションは価格の下落が落ち着き、底値圏で安定します。
そのような割安な中古物件を購入し、1,000万円程度かけてフルリノベーションを行ったとしても、同エリア・同規模の新築マンションを購入するより、総額で2割から3割ほど安くなるケースが多く見られます。
浮いた予算で、諦めていた憧れのエリアを選んだり、オーダーキッチンや高級家具にお金をかけたりと、予算配分の自由度が高いのも大きな魅力です。賢くコストコントロールしながら理想を叶えられる点が、多くの人に選ばれている理由です。

資産価値の維持・向上

「古いマンションを買って、あと何年住めるの?」という不安を持つ方も多いでしょう。
しかし、マンションの寿命はコンクリートの寿命(物理的寿命)だけで決まるわけではありません。
むしろ、内装の陳腐化や設備の故障、配管の老朽化といった「機能的な寿命」が先に尽きることが多いのです。
フルリノベーションは、この機能的寿命を大幅に延ばす効果があります。

特にスケルトンリノベーションでは、普段見えない床下の給排水管を新品(錆びにくい樹脂管など)に交換できるため、漏水リスクを低減できます。
また、最新の断熱改修を行うことで、「夏暑く冬寒い」という古いマンションの弱点を克服し、新築並みの快適な住環境を手に入れられます。このように住宅としての性能を根本から向上させておけば、将来的に売却したり賃貸に出したりする際にも、単なる中古物件としてではなく「リノベーション済み優良物件」として高く評価され、資産価値を維持しやすくなります。

【2025年最新】マンションフルリノベーションの費用相場

費用相場一覧

広さ(㎡)別の費用相場一覧(フルスケルトンの場合)
フルリノベーションの費用は、物件の状況や希望するグレードによって変動しますが、2025年現在、一度すべてを解体する「フルスケルトン」の場合、1㎡あたり15万円〜25万円が一般的な相場目安となります。

例えば、一般的なファミリータイプの広さである60㎡(約18坪)の場合、工事費の総額目安は900万円〜1,500万円程度です。70㎡(約21坪)であれば1,050万円〜1,750万円、広めの80㎡(約24坪)なら1,200万円〜2,000万円ほどを見ておく必要があります。 数年前までは「1㎡あたり10万円〜」と言われることもありましたが、近年のウッドショックによる木材価格の高騰や、住設機器の値上げ、建築業界全体の人手不足による人件費上昇の影響を受け、相場は上昇傾向にあります。予算計画を立てる際は、ネット上の古い情報ではなく、最新の相場観を持って資金計画を立てることが重要です。

1㎡(平米)あたりの単価目安
費用を左右するのは「広さ」だけでなく、「グレード(仕様)」です。大きく分けて「スタンダードグレード」と「ハイグレード」の2つの価格帯でイメージすると分かりやすいでしょう。

【スタンダードグレード:㎡単価15〜18万円】
LIXILやTOTO、Panasonicといった国内主要メーカーの普及価格帯〜中級グレードの設備を使用し、床材は複合フローリング、壁は量産クロスを使用するプランです。シンプルで機能的な住まいになります。コストパフォーマンスを重視する方におすすめです。

【ハイグレード:㎡単価20万円〜】
無垢材のフローリング、珪藻土や漆喰などの塗り壁、造作キッチンやオーダー家具、デザイン性の高いタイルなどをふんだんに使用するプランです。また、断熱材を全面的に入れ替えたり、二重窓を設置したりといった性能向上工事も充実させることができます。こだわりを妥協せず詰め込みたい場合は、こちらの単価を目安にする必要があります。

予算内でできること・できないこと

■ 500〜800万円コース
この予算帯では、フルスケルトン(全解体)にするのは難しく、既存の間取りや下地を活かす工夫が必要です。水回り4点(キッチン・浴室・トイレ・洗面)は最新のものに交換し、全室の壁紙と床材を張り替えるといった「表層リノベーション」が中心になります。
和室を洋室に変更する程度の部分的な間取り変更は可能ですが、キッチンを壁付けからアイランド型へ移動するといった大掛かりな配管工事を伴う変更は、予算オーバーになる可能性が高いです。

■ 800〜1,200万円コース
60〜70㎡程度の広さであれば、一度躯体の状態まで解体するフルスケルトンリノベーションが視野に入ります。間取りを白紙の状態から自由に設計し直すことができ、古くなった配管の更新も可能です。
内装については、LDKの床を無垢材にするなどポイントでこだわりを取り入れつつ、個室はコストを抑えた仕様にするなど、メリハリをつければ十分に満足度の高いリノベーションが実現できます。

■ 1,200万円以上コース
デザイン、素材、性能のすべてにおいて妥協のない家づくりが可能です。海外製の食洗機(ミーレやガゲナウなど)を組み込んだオーダーキッチンや、壁面いっぱいの造作本棚、ホテルライクなガラス張りのバスルームなど、憧れの仕様を実現できます。
また、断熱材もしっかり充填し、防音対策も万全に行うなど、目に見えない快適性にも十分な予算を割くことができます。

見積もりに含まれない「諸費用」に注意

リノベーション会社から提示される見積書には、基本的に「工事にかかる費用」しか記載されていません。
しかし、実際にはそれ以外にもさまざまな現金支出が発生します。これらを忘れていると、後で資金ショートを起こす原因になります。

まず大きいのが「設計・デザイン料」です。工事費に含まれている会社もありますが、別途工事費の10〜15%程度が必要な場合もあります。次に「仮住まい・引っ越し費用」です。工事期間中の家賃と、往復の引っ越し代がかかります。

また、意外と見落としがちなのが「駐車場代」です。工事車両を停めるスペースがない場合、近隣のコインパーキング代を実費で請求されることが一般的です。さらに、ローンを利用する場合は銀行への手数料や印紙代なども必要です。
工事費以外に、100万円〜200万円程度の予備費を手元に残しておくのが安全な資金計画です。

フルリノベーションにかかる期間とスケジュール

全体スケジュールの目安(相談〜引き渡し)

「リノベーションしたい!」と思い立ってから、実際に住み始めるまでには、平均して3ヶ月〜6ヶ月、こだわりの強い案件だと1年近くかかることもあります。
「購入してすぐに入居できる」中古物件や新築マンションとは異なり、リノベーションには「設計期間」と「工事期間」という長いプロセスが必要だからです。

特に、お子様の入学や進学、賃貸の更新時期などに合わせて入居したい場合は、その時期から逆算して早めに動き出す必要があります。
例えば「4月に入居したい」のであれば、遅くとも前年の10月〜11月には物件探しと会社選びをスタートさせていないと間に合いません。
余裕を持ったスケジュールを組むことが、焦って判断ミスをしないための重要なポイントです。

フェーズ1:物件探し・会社選び・プランニング(約1〜2ヶ月)

最初のステップは、ベースとなる中古マンション探しと、パートナーとなるリノベーション会社選びです。この2つは同時進行で進めるのが理想です。なぜなら、自分たちだけで物件を決めてしまうと、「購入後に希望のリノベーションができないことが判明した」というトラブルが起きやすいからです。
気になる物件が見つかったら、契約前にリノベーション会社の担当者に同行してもらい、「現地調査」を行います。プロの目線で、配管の経路、梁の出方、管理状態などをチェックしてもらい、「希望の間取りが実現可能か」「リノベ費用を含めて予算内に収まるか」を判断してもらいます。このフェーズで納得いく物件と信頼できる会社に出会えるかが、プロジェクト成功の鍵を握ります。

フェーズ2:設計・詳細打ち合わせ(約1〜2ヶ月)

物件の売買契約とリノベーションの設計契約が済んだら、いよいよ詳細なプランニングに入ります。
ここでは、間取りの確定だけでなく、床材や壁紙の種類、キッチンのメーカー、扉のデザイン、コンセントやスイッチの位置、棚の高さに至るまで、膨大な数の項目を一つひとつ決めていきます。

週に1回程度のペースで打ち合わせを重ね、パース(完成予想図)や実物サンプルを確認しながら仕様を固めていきます。
この期間は非常に楽しい時間である反面、決めることが多く大変な時期でもあります。ここで仕様決定が遅れると、資材の発注が間に合わず、着工や完工が遅れる原因になります。
迷ったときはプロのアドバイスを信じて決断していくことも大切です。

フェーズ3:解体・工事・検査(約2〜3ヶ月)

プランが固まり、管理組合への工事申請が承認されれば、いよいよ着工です。
フルスケルトンリノベーションの場合、工事期間だけで2.5ヶ月〜3ヶ月程度かかります。

最初の1週間で解体工事を行い、その後、大工さんによる墨出し(位置決め)、配管工事、電気配線工事、下地工事へと進みます。この段階では壁の中や床下など、完成後には見えなくなる部分を作っていきます。
その後、フローリング張り、壁のボード張り、クロス貼り、設備機器の取り付けと進み、最後にクリーニングを行って完成です。工事期間中は、施主様も何度か現場に足を運び、図面通りに進んでいるか確認する「中間検査」や「施主検査」を行うのが一般的です。

期間が延びてしまうよくある原因と対策

スケジュール通りに進まない原因の多くは、「プラン変更」と「資材の納期遅延」です。
工事が始まってから「やっぱりここに棚が欲しい」「コンセントを追加したい」といった変更要望が出ると、作業の手戻りが発生し、工期が伸びてしまいます。
また、近年は世界情勢の影響で、海外製の食洗機やトイレ、特定の建材などの納期が不安定になることがあります。
対策としては、設計段階でとことん悩み抜いて仕様を確定させること、そして入手困難な設備は早めに発注をかけることです。
どうしても工期を守りたい場合は、納期がかかる海外製品を避けて、在庫のある国内製品から選ぶといった柔軟な判断も必要になります。

マンションフルリノベーションで「できないこと」

管理規約による制限

マンションは共同住宅であるため、自分たちの専有部分であっても、管理組合が定めた「管理規約」による制限を必ず受けます。これを無視して工事を行うことはできません。
特にトラブルになりやすいのが「床の遮音規定」です。
下の階への騒音を防ぐため、「L40」や「L45」といった遮音等級のフローリング使用が義務付けられていることが大半です。
無垢材を使いたい場合は、遮音性能のある特殊な下地材を組み合わせる必要があり、費用や床の高さに影響します。

また、「電気容量」や「ガス給湯器の号数」に制限がある場合もあります。
古いマンションでは建物全体の電気容量が小さく、各戸の契約アンペア数を上げられないことがあり、その場合、IHクッキングヒーターや大型エアコンが使えないこともあります。

さらに、「窓サッシ」や「玄関ドアの外側」は共用部分にあたるため、原則として個人の判断で交換することはできません(内窓の設置や、鍵の交換、内側の塗装は可能な場合が多いです)。

「壁式構造」と「ラーメン構造」の違い

「フルリノベーションなら間取りは自由自在」と思われがちですが、建物の構造によっては壊せない壁が存在します。マンションの構造は大きく分けて2種類あります。

一つは「ラーメン構造」です。柱と梁(はり)で建物を支える構造で、中高層マンションに多く見られます。このタイプは、室内の間仕切り壁のほとんどが構造に関係ない壁であるため、取り払って広々とした空間を作ることが容易です。
もう一つは「壁式構造」です。5階建て以下の低層マンションや団地に多く見られます。
こちらはコンクリートの壁自体で建物を支える構造のため、室内にある分厚いコンクリート壁(耐力壁)を壊すことができません。「リビングと隣の部屋を繋げたいのに、間の壁が壊せない」といった制約が出ることがあるため、物件探しの段階で構造を確認することが非常に重要です。

水回りの移動制限(パイプスペースの問題)

キッチンやトイレ、お風呂などの水回りの位置を大きく動かしたい場合、最大のハードルとなるのが「排水管の勾配」です。水は高いところから低いところへ流れるため、排水管には一定の傾斜(勾配)が必要です。

マンションには、上下階を貫くメインの排水管が通る「パイプスペース(PS)」があります。キッチンなどをPSから遠く離れた場所に移動させようとすると、その分だけ長い排水管を床下に通す必要があり、勾配を確保するために床を高く上げなければなりません。
その結果、天井高が低くなったり、室内に大きな段差ができたりすることがあります。また、床下のコンクリート(スラブ)に配管が埋め込まれている物件や、スラブを貫通している物件では、水回りの位置変更自体ができないケースもあります。

マンションフルリノベーションに向けた中古マンション物件選びのチェックポイント

「リノベ向き」物件と「リノベ不向き」物件の違い

中古マンション市場には、そのまま住めるように綺麗に改装された「リフォーム済み物件」と、内装が古びたままの「現況販売物件」があります。フルリノベーションを前提とするなら、断然**「現況販売物件」がおすすめです。

リフォーム済み物件は、売主がかけたリフォーム費用と利益が販売価格に上乗せされています。
それを購入して解体するのは、せっかくのお金をドブに捨てるようなもので、非常にもったいないです。

一方、内装がボロボロの物件は、その分価格が安く設定されていることが多く、「箱」としての価値だけで購入できます。
汚れた壁紙や古いキッチンは解体してしまうので関係ありません。内装の見た目に惑わされず、「立地」「広さ」「窓からの眺望」「日当たり」といった、リノベーションでは変えられない条件が良い物件こそが、真の「リノベ向き物件」です。

築年数の目安(旧耐震基準と新耐震基準)

中古マンションの購入において、最も重要な判断基準の一つが「耐震基準」です。
1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた物件は「新耐震基準」、それ以前のものは「旧耐震基準」と呼ばれます。

旧耐震基準の物件は、価格が割安で立地が良いものも多いですが、リスクも伴います。震度6強以上の大地震に対する安全性が担保されていない可能性があるだけでなく、金銭的なデメリットも大きいです。
具体的には、住宅ローン控除が利用できない(一定の条件を満たせば可)、不動産取得税や登録免許税の軽減措置が受けられない、リフォームローンの審査が通りにくいといった点です。長く安心して住むこと、そして税制優遇を賢く利用することを考えると、基本的には1981年以降の「新耐震基準」の物件を選ぶことを強くおすすめします。

管理状態の確認(修繕積立金、管理人の有無)

「マンションは管理を買え」という格言があるほど、管理状態は資産価値と住み心地に直結します。どんなに室内を素敵にリノベーションしても、建物自体の管理がおろそかであれば、安心して住み続けることはできません。

チェックすべきは「修繕積立金」の状況です。積立金が安すぎるマンションは魅力的ですが、裏を返せば将来の大規模修繕工事のための資金が不足している可能性があります。
その場合、入居後に積立金が大幅に値上げされたり、修繕に際して数十万円の一時金を徴収されたりするリスクがあります。

また、共用部分(エントランス、廊下、ゴミ置き場)の清掃が行き届いているか、掲示板に古い張り紙が放置されていないか、長期修繕計画書が作成されているかなども重要なチェックポイントです。これらは、不動産会社を通じて「重要事項調査報告書」や総会の議事録を確認してもらうことで把握できます。

マンションフルリノベーションで活用できる補助金・減税制度

国や自治体は、住宅の省エネ化や長寿命化を推進するため、リノベーションに対するさまざまな補助金・減税制度を用意しています。2025年も継続して利用が期待できる制度を把握しておきましょう。

代表的なのが「子育てエコホーム支援事業」の後継となるような、省エネ改修に対する補助制度です。
断熱窓への交換や高効率給湯器の設置などに対し、数十万円規模の補助が出ることがあります。

また、「先進的窓リノベ事業」のように、窓の断熱改修に特化した高額補助制度も非常に人気です。
減税制度としては、リノベーション費用を住宅ローンで借りた場合に利用できる「住宅ローン控除」や、一定の省エネ・バリアフリー工事を行った場合に所得税が控除される「リフォーム促進税制」などがあります。

これらの制度は予算上限や申請期限があるため、最新情報を常にチェックし、リノベーション会社の担当者と相談しながら漏れなく申請することが大切です。

一宮市のリフォーム補助金に関する情報はこちら

マンションフルリノベーションの進め方

STEP1:予算決めとイメージ収集

まずは家族会議を開き、全体の予算計画を立てましょう。「自己資金はいくら出せるか」「月々のローン返済額はいくらまでなら無理がないか」を話し合います。 それと並行して、理想の住まいのイメージを膨らませます。

Instagram、Pinterest、Houzzなどのアプリや、雑誌を活用して、「好きだな」と思うインテリアの写真をどんどん保存していきましょう。言葉で伝えるよりも、写真を見せる方が担当者に好みが正確に伝わります。「カフェのようなキッチン」「ホテルのような洗面所」といったキーワードだけでも構いません。具体的なイメージを持つことが、ブレない家づくりの第一歩です。

STEP2:ワンストップ会社か、分離発注か(会社選び)

リノベーションの進め方には2つのパターンがあります。一つは、不動産会社で物件を買い、リノベーション会社に工事を依頼する「分離発注」。もう一つは、物件探しから設計・施工までを一社に任せる「ワンストップリノベ」です。

フルリノベーションを成功させたいなら、断然「ワンストップリノベ」がおすすめです。窓口が一つになるため手間が省けるのはもちろん、担当者が「リノベ向きの物件か」「総予算に収まるか」をプロの視点でジャッジしながら物件探しを進めてくれるため、失敗のリスクが激減します。また、前述した「一体型ローン」の手続きもスムーズに進められるため、資金計画の面でも安心です。

STEP3:現地調査とプラン提案・見積もり比較

候補物件が見つかったら、リノベーション会社の担当者と一緒に現地を見に行きます(現地調査)。
採寸を行い、配管の状態や遮音規定などをチェックしてもらい、その物件で希望のリノベーションが可能かどうかを確認します。

その後、ラフプラン(概略図面)と概算見積もりの提案を受けます。
複数の会社を比較検討する場合は、単に金額の安さだけでなく、「自分たちの要望を汲み取ってくれているか」「プラスアルファの提案があるか」「担当者との相性は良いか」といった点を重視して判断しましょう。

STEP4:契約と詳細設計

依頼する会社と物件が決まったら、不動産売買契約と工事請負契約を結びます。ここから本格的な詳細設計(打ち合わせ)がスタートします。
床材、壁紙、キッチン、照明、コンセント位置など、すべての仕様を決定していきます。
サンプルを取り寄せて質感を確認したり、ショールームに行って実際の設備を触ったりしながら、一つひとつ納得いくまで決めていきます。この期間にしっかりと時間をかけることが、満足度の高いリノベーションにつながります。

STEP5:着工〜近隣挨拶〜完成

すべての仕様が決まり、管理組合の承認が下りたら、いよいよ工事開始です。
工事前には、リノベーション会社の担当者が近隣住民への挨拶回りを行いますが、施主様ご自身も一度挨拶に行かれることを強くおすすめします。
「ご迷惑をおかけしますが、〇月に引っ越してきます」と顔を見て伝えておくことで、入居後の人間関係がスムーズになります。
工事中は可能な限り現場に足を運び、進捗状況を確認しましょう。完成後の検査(施主検査)で傷や不具合がないかチェックし、問題なければ引き渡し、そして新生活のスタートです。

マンションフルリノベーションのよくある質問

Q. 予算オーバーしてしまったら?

優先順位をつけて「減額調整(VE)」を行います。 リノベーションでは、要望をすべて盛り込むと予算オーバーになるのが常です。
そんな時は、見積もりを見ながら減額調整(バリューエンジニアリング)を行います。
「絶対に譲れないもの(断熱性能やキッチンの機能など)」と「妥協できるもの(個室の内装グレードや造作家具)」を仕分けます。

例えば、「床は無垢材を使いたいけど、壁は塗装ではなく安価なクロスにする」「造作棚の扉をなくしてオープン棚にする」「設備のグレードを一つ下げる」といった工夫で、満足度を維持したまま数十万円単位のコストダウンが可能です。プロと一緒に知恵を絞ることが大切です。

Q. 工事中の騒音トラブルが心配…

事前の丁寧な挨拶と、養生の徹底が重要です。 特に解体工事中は、コンクリートを削る大きな音や振動が発生するため、近隣の方への配慮が不可欠です。
リノベーション会社が管理組合への申請や掲示板へのお知らせを行いますが、それだけに任せず、工事開始前に施主様ご自身も上下左右のお宅へ挨拶に行きましょう。
「〇月〇日から工事に入ります。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」と、タオルやお菓子などの粗品を持って挨拶に行くだけで、相手の印象は大きく変わります。
また、エレベーターや共用廊下の養生(保護)をしっかり行う会社かどうかも、トラブル防止の重要なポイントです。

Q. 住みながらのフルリノベーションは可能?

基本的には「仮住まい」をおすすめします。
部分的なリフォームなら住みながらの工事も可能ですが、フルリノベーション(特に水回りの移動や床の張り替えを伴う場合)は、生活スペースがなくなり、水回りも使えなくなるため、現実的ではありません。

大量のホコリや騒音の中で生活するのは、想像以上のストレスになります。
工事期間中は、マンスリーマンションや実家、UR賃貸の短期利用などを活用して「仮住まい」をするのが一般的です。仮住まいの費用や引っ越し費用も予算に組み込んで計画を立てましょう。
どうしても仮住まいが難しい場合は、工事を2期に分けて部屋ごとに施工する方法もありますが、工期が伸び、費用も割高になる傾向があります。

Q. 断熱や防音などの「見えない部分」はどうする?

ここにお金をかけるのがフルリノベの醍醐味であり、必須事項です。
おしゃれなキッチンや壁紙にお金をかけたくなりますが、住み心地を決定づけるのは「断熱」と「防音」です。
ここをケチると、「見た目は綺麗だけど、冬は寒くて結露がひどい」「上の階の足音がうるさい」といった、住んでからの後悔につながります。

壁の内側に高性能な断熱材を入れる、既存の窓の内側にインナーサッシ(二重窓)を取り付ける、床下に遮音マットを敷き込むといった対策は、スケルトン状態の工事中でしかできません。
目に見えるデザインよりも、まずは目に見えない性能向上に予算を優先的に配分することが、長く快適に暮らすための秘訣です。

BOIS創建株式会社のマンションフルリノベーション施工事例

BEFORE

AFTER



生活でお困りのポイントをお伺いし、収納力がアップできる間取りに変更しました。
また、部屋の印象が明るくなるようなクロスを選んだことで、新築に引っ越したような気分になれると好評をいただきました。

まとめ

マンションフルリノベーションは、新築にはない「自分らしさ」と「コストパフォーマンス」を両立できる素晴らしい選択肢です。
しかし、成功させるためには、物件選びの知識、資金計画、デザイン力、そして施工品質など、多岐にわたる専門知識が必要です。自分たちだけで悩まず、早い段階でプロに相談することが、失敗しない一番の近道です。

私たちは、愛知県一宮市を中心に、物件探しから設計・施工までを一貫してサポートするリノベーションの専門家です。 「まずは費用感が知りたい」「自分たちの予算でどんなことができるか聞いてみたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください!